おばけになりたいなす

 

 
  
 
 

 ナスといえば、ニンジン、トマト、ピーマンなどと並んで子どもの苦手な野菜に挙げられがち。でも、バラエティー豊かに、おいしい料理に変身して食卓を彩ることもありますよね。今回は、そんなナスが奮闘する一冊です。
 ナスが苦手なゆいちゃん。「なすなんてだいっきらい! むらさきおばけみたい!」「むらさきおばけなんてたべないもん!」。それを聞いた「なすちゃん」はショックを受け、お化けになろうと決心します。お化け屋敷や吸血鬼の館、ハロウィーンのパレードなど、いろいろな場所でお化けやモンスターになって紛れようとしますが、いつも見つかってしまいます。お化けたちに「なすはおばけになれないよ!」と言われ、居場所のないなすちゃんが向かったのは…。
 「やさいのなりたい絵本」シリーズの作品です。子どもたちに好きになってもらおうと一生懸命な野菜たちの姿がいじらしく、かわいらしくもあり、心が温かくなります。ハロウィーンで盛り上がるこの時季、さまざまな世界に紛れ込んだなすちゃんを、親子で探してみるのもおもしろそうですね。
 さて、ナスが苦手なゆいちゃんとなすちゃんの関係は、どうなるでしょう。答えは読んでのお楽しみ。

 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和7年10月25日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 岩神 愛・作・絵
出版社 岩崎書店