ぴょーん 

 

 
  
 地面にしっかり突いた手、ぎゅっと曲げた足、そして力強い視線。今すぐにでも跳び上がりそうな、きれいなグリーンのカエルの表紙絵が目を引きます。
  ページをめくると、カエル、子ネコ、イヌ、バッタなどいろいろな生き物がジャンプ! 跳び上がる時の脚や体全体の使い方がよく分かり、「なるほど」と思わせてくれます。
  動物や昆虫に興味を持ち始めた小さな子ども向けの絵本です。しかし、生き物たちは特徴をよく捉えて描かれ、ジャンプの描写は躍動感にあふれていて、大人でも楽しめます。
  何度も読んでいると、あることに気が付きます。それはジャンプをする時の視線。みんな上を向いています。空高く跳び上がりたい気持ちの表れですね。
  順調にみんながジャンプしていたかと思うと、中にはジャンプが苦手な仲間も登場し、和ませてくれます。
  作者は、自然科学のイラストを数多く手がける松岡達英さん。絵本「はじめてのぼうけん」シリーズの1冊です。「うわーっ」「ごろんごろん」など、タイトルを聞いただけでもわくわくする絵本がそろっています。
  これから訪れる梅雨の時期、雨音を聞きながら、ゆっくりとお家の中で絵本を楽しむひとときはいかがですか。
 

加藤香澄(秋田市河辺保育所)

(令和7年5月31日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 まつおか たつひで・作・絵
出版社 ポプラ社