へび ながすぎる

 

 
  
 表紙から裏表紙にかけて描かれた、1列に並ぶウサギたち。このウサギたちがみんなで持っている長いもの、実はヘビなのです。同じ場面に頭も尾も見えませんから、それが何なのか分からないようです。
 ヘビを首に巻いたり、耳と耳の間に乗せたりしているウサギまでいます。絵本を開き、見開きページいっぱいにぐるぐる描かれたヘビの体は、まだまだ続きます。
 初めに登場するのはネズミたち。力を合わせてヘビを持ち上げ、すべり台にして遊んでいます。その先を進むウサギたちは、なんと跳び縄にしてみんなで大縄跳び。
 ページを進めると、さまざまな動物が1匹のヘビで、それぞれの遊びを楽しんでいます。でも「だーれも これが へびだなんて きづかない」のです。
 ヘビの頭まで進んだ動物たちはとうとう「長いもの」の正体に気が付き、びっくり。最初からヘビだと分かっている読み手には、その姿がほほ笑ましくも映ります。
 でも、最後に仕掛けがもう一つ用意されています。俯瞰(ふかん)していたつもりの読み手の優越感を裏切る、驚きの結末をお楽しみに。

 

柴田麻衣子(横手市職員・司書)

(令和7年5月10日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 ふくなが じゅんぺい・作
出版社 こぐま社