はるなつあきふゆのたからさがし

 

 
  
 寒い冬が終わり、暖かい春がやってきました。5歳の女の子「むく」と、絵描きの「おかあさん」の2人は散歩が大好き。「むく、たからさがしに いくよー!」と、おかあさんのかけ声で散歩へ出発します。
 おかあさんの言う「たからさがし」とは、散歩の途中で見つける色とりどりの草や花、木のこと。例えば、家の近くにある一丁目こうえんには、背の高いトチノキが生えています。川沿いにはサクラが満開に咲いています。
 植物は季節ごとに変化していきます。セミの大合唱が聞こえる夏には、木々は実をつけ始めます。キンモクセイが香る秋には、葉っぱも木の実も色づき、草花がにぎやかに。落ち葉が地面いっぱいに広がると、冬がやってきて、木の芽たちがいろんな顔をみせてくれます。
 絵本の最後には、この本に登場する植物の名前とページ番号がついた索引があるので、身近な植物を探すのにもお薦めです。いつもの道もよく観察していると、毎日違った発見があります。植物のおもしろい不思議をたくさん発見して、「たからさがし」を楽しんでみてくださいね。
 

髙杉尚子(鹿角市立花輪図書館)

(令和7年4月26日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 矢原 由布子・作・絵/鈴木 純・監修
出版社 アノニマ・スタジオ