とりどりのとり

 

 
 
 ぽかぽか陽気とともに、草花が色づき始めた春。初めてのランドセル姿や巣立っていく子どもの成長に涙がぽとり。春ならではのストーリーがあるように、世の中には「とり」がつく言葉がたくさんあるようです。
 まず登場するのは木の枝に止まる緑色の鳥。ページ上部に描かれた鳥は目をつむっていますが、下部の鳥は「そういうこと だったのか!」と目を開き、頭上にはピカっと光る電球が。さぁ、連想できる「とり」は何でしょう? 答えは「さとり」。
 このように、絵や言葉に合わせた「とり」が次々と描かれていきます。次の鳥は、雨の中「ちょっと のきした かりますね」と木陰に身を寄せています。そうです! 「あまやどり」
 大きな鳥が体の何倍もある牛を「つかみどり」したと思ったら、ひとまわり小さい鳥が「よこどり」したりと、シュールでユーモアあふれる展開も。トリ(最後)まで目が離せません!!
 「○○とり」の部分を隠してクイズのように楽しんだり、「あやとり」「くまどり」「しんけんしらはとり」から遊びへとつなげたり。興味や知識を広げることもできそうです。あっ大変! トリばかり気にして表紙の鳥を忘れてた…。
 

髙橋寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

(令和7年4月19日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 佐々木 マキ・作
出版社 クレヨンハウス