となりのせきのますだくん

 

 
 
 表紙に大きく怪獣と小さな女の子が描かれ、インパクト抜群で興味をそそられます。「あたし きょう がっこうへ いけない きがする。」という一文から絵本が始まります。
 頭が痛くなればいいのに…。熱が出ればいいのに…。学校に行きたくない時って、誰しもそんなことを思いましたよね。
 主人公のみほちゃんが学校へ行きたくない一番の理由は、まるで怪獣のような〝となりのせきのますだくん〟。意地悪で、「ぶつぞ」ってにらんだり、椅子を蹴ったりするのです。 
 昨日の帰りの時間、みほちゃんお気に入りのピンク色の鉛筆を、ますだくんが折ってしまいました。みほちゃんが消しゴムを投げると、ますだくんは、びっくりしてにらんでいました。
 だから今日学校に行って、ぶたれるかもと思うとすごく不安。「やだな」「やだな」って思いながら進む学校までの道のりは、やたらと長く感じます。
 やっと校門にたどり着くと「どきっ!!」。〝かいじゅうのますだくん〟が待ち伏せしているようです。また意地悪をしてくるのでしょうか。
 新しい環境への不安や揺れ動く気持ちが表現されています。等身大の子どもの感じているドキドキに共感できる絵本です。

 
 長谷川恵(認定こども園四ツ小屋)

(令和7年4月12日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 武田 美穂・作・絵
出版社 ポプラ社