したじきくんとなかまたち

 

 
 
 「にゅうがくしきがおわって、いよいよ あしたから しょうがっこうの じゅぎょうが はじまります」。新たな環境にドキドキしているのは、子どもだけではないようです。
 主人公のしたじきくんは、何やら元気がありません。「ぼく、しょうがっこうに いくの、こわいよ。おうちに いたい」
 不安いっぱいのしたじきくんに、えんぴつたちが「わたしたち みんなで ランドセルに はいっていくんだから へいきよ」と言いますが、「きみたちは いいよ。おんなじ えんぴつたちの なかまが いっしょにいるもん。ぼくなんか、ひとりっきり」としたじきくん。
 したじきくんは仲間を求め、筆箱やクレヨン箱に入ろうとしますが、大きくて入れません。そんな時、「おーい、したじきくん!」と呼ぶ声が。声の主は誰でしょうか?したじきくんは無事学校へ行けるのでしょうか?
 したじきくんは、どんなお子さんも抱く入学時の何とも言えない不安を表す存在。親子で読むと、その気持ちが少し和らいで、学校が楽しみになるはず。
 そして絵本には、たくさんのかわいい文房具が出てきます。読んだ後は文房具を大事にしてくれるかもしれませんよ。

 
 林一輝(NPO法人ファザーリング・ジャパン東北)

(令和7年4月5日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 二宮 由紀子・文/山村 浩二・絵
出版社 アリス館