朝晩涼しく過ごしやすい季節になり、ふかふかのふとんを準備する頃でしょうか。今回はふとんがテーマの奇想天外なストーリーの絵本をご紹介します。
おやすみなさい、とふとんに入った「ぼく」。いつもと違うふとんで寝てみたいと、いろいろな形のふとんを想像します。
例えば、座れるいす型のふとんがあれば、起きている間も体を包んでくれていい気持ちで過ごせそう。丸い穴のあいたドーナツ型のふとんは、重ねると立ったままでも寝られそうです。
その他にも、あるくふとん、ボールぶとん、いくらぶとん、ドラキュラぶとん、マシュマロぶとんなど、想像は続きます。
楽しくなった「ぼく」は、ふとんを押し入れからどんどん出し、積み上げて遊び始めます。すると何者かに布団の中身を盗まれ、ぺしゃんこに。
犯人はふとんだらけの世界に隠れているようです。ここからは、お話だけでなく探し絵としても楽しむことができます。
前後の見返しにも緻密なイラストで面白いふとんがたくさん描かれ、想像力を広げてくれます。ふとんへの感謝の気持ちも芽生えるかもしれませんね。
「どのふとんがお気に入り?」「犯人はどこにいるかな?」家族みんなで会話を弾ませながら、楽しく読める1冊です。
佐々木千恵(秋田市立中央図書館明徳館)
(令和6年9月28日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 鈴木のりたけ・作・絵 |
出版社 | PHP研究所 |