ずっと前から、読み聞かせの定番中の定番。誰に読んでも喜ばれる魔法の一冊です。さまざまな選択肢からどれがいいかひたすら選ぶ絵本で、お子さんたちはたちまち夢中になります。
ジャムまみれと泥だらけと水浸しなら、どれがいいかしら。1万円で死んだカエルを飲み込むか、2万円でお化け屋敷に泊まるか、それはもう大問題です。妖精の魔法、サンタクロースのプレゼント配りのお手伝いといった魅力的な選択肢が並ぶページもあります。
「どれがいい?」を楽しんだ後で、選んだ理由を聞いてみるのもいいですね。以前、父さんが学校で踊るか、母さんが喫茶店で怒鳴るかを選ぶ質問で、「父さん」を選んだ子が理由を教えてくれました。母さんが怒鳴っている時、周りの人はむっとしているけれど、父さんが踊っている時はみんな笑顔だから、だそうです。お子さんの素直な気持ちを発見するチャンスになるかもしれません。
大人も一緒に真剣に答えを選んだら、今まで知らなかった自分の本当の気持ちに気づいて、くすぐったくなったり、うれしくなったりするでしょう。お子さんと一緒に、どこまでも続く質問を楽しんでください。
遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )
(令和5年2月25日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | ジョン・バーニンガム・作/まつかわまゆみ・訳 |
出版社 | 評論社 |