暦の上ではもう春ですね。節分は終わりましたが、この本には子どもたちが好きな「鬼」が出てきますよ。本のタイトルからは想像できない不思議な世界に引き込まれていきます。
絵とともに「たぬき、きつね、ねこ…」と言葉がつながり、奇妙なしりとりになっています。ページいっぱいにいろいろなものが描かれていて、言葉の意味が分からない小さいお子さんでも見入ってしまうことでしょう。
ページごとに読むテンポや声のトーンを変えると子どもたちは喜びます。まだ字が読めないお子さんでも、繰り返し読んでもらっているうちに暗唱したり、身ぶり手ぶりで登場するもののまねをしたりします。今では見られなくなった蓄音機が出てくるなど、新鮮さもあるかもしれません。
子どもたちがこの絵本に引きつけられる最大の理由は…やっぱり「鬼」が主人公だからです。鬼が人間のように暮らしてる様子が面白いのだと思います。子どもにとって怖いイメージを抱かれることが多い鬼が、この絵本をきっかけに何だかユニークで身近な存在に思えたら楽しいですね!
佐竹 美緒( 秋田市河辺保育所 )
(令和5年2月4日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
---|---|
作者名等 | 谷川俊太郎・文 /タイガー立石・絵 |
出版社 | 福音館書店 |