外では木々や草花、お家の屋根にも雪がどっさり積もっています。その様子を窓から見つめる「もみちゃん」の笑顔が、ワクワクするお話の始まりを感じさせます。
もみちゃんは黄色いマフラー、帽子、手袋、長靴に身を包み、大好きな赤いそりを持って坂すべりに出かけます。森の動物たちが「いいな いいな」とやってきたので、みんなでそりをひっぱり坂道を上ります。いよいよ坂すべり。赤いそりにぎゅうぎゅう詰めで出発です。
そりは「しゅるるる しゅうっ!」と臨場感たっぷりに滑ります。ぐんぐんスピードに乗っていたところで動物たちにハプニングが起きます。みんなの愉快な転がり方に、読み手は大笑いかもしれません。
雪に埋もれた動物たちはどこへ行ったのでしょう? そこに見たことのない雪だるまたちが登場します。それぞれ誰なのか、あてっこするのも楽しいです。
「きっとまたあそぼ」というみんなの願いが心に響きます。寒い冬に心を温めてくれる、贈り物のような絵本です。
仁村 由美子( 聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園 )
(令和5年1月21日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 岸田衿子・文 /山脇百合子・絵 |
出版社 | 福音館書店 |