この絵本は、物を作ることに興味あるお子さんたちに大変人気があります。あるお子さんにせがまれて、2日間で合わせて15回ほどこの本を読んであげたことがあります。
ジョニーは金づちやノコギリで物を作るのが上手でしたが、お父さんとお母さんは息子の器用さに全く気づかず、彼が何か作り始めると「ばかなことをやっている」と怒るのです。
ある日ジョニーは自分だけで大時計を作ろうと思いつきました。しかし、お父さんとお母さんは「くだらんことを」と言い、学校のみんなにもいじめられます。それでもスザンナという女の子の応援もあり、ジョニーは頑張ります。
あらゆる困難を一つ一つ解決しながら、大時計を作るジョニー。応援する人が増え、ついには大時計が完成します。お父さんも大時計に感心し、ジョニーにいろいろな道具を贈ってくれました。
個性を伸ばしたい、と願うものの、子どもの本当の好きなものに気づかないことはよくあります。ジョニーには応援してくれる人がいました。応援することで誰かの才能が花開いたら、とてもすてきなことですね。
遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )
(令和4年11月19日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | エドワード・アーディゾーニ・作 あべきみこ・訳 |
出版社 | こぐま社 |