おばけの地下室たんけん

 
 
 古いお城で、おばけたちがトランプあそびをしています。ちょうど夜中の12時になった時…どすん!どすん!どすん! お城のどこかですごい音がします。おばけたちはびっくり!
 4匹のおばけたちは音の正体を探しておっかなびっくり地下室へ。まっくらな階段をおりていくと、何やらゴソゴソ動いています。怖くて震えるおばけたち! でも明かりを当てると「なーんだ」。ネズミやクモ、コウモリでした。安心したのもつかの間、今度は自分たちが映っている鏡を見て「でたぁ、おばけだあ!」。おばけがおばけに驚いて大さわぎ。おいしそうなチーズを見つけて食べたおばけは、チーズみたいな見た目になっちゃいます。
 どすん!どすん!どすん! 地下室からはまたあの不気味な音が…。いったい何があるのかしら。おばけたちはついに大きなピンクの宝箱を発見します。その中身は意外なものでした。
 おばけって死なないのかな? いくつまで生きているのかな? ちょっぴり怖いけれども楽しくなっちゃうお話です。



 石坂 千雪( 鹿角市児童センター・子ども未来センター )

(令和4年10月29日秋田魁新報掲載)

 

2022あふれちゃんのえほんばこへ進む

有名なグリムの昔話です。母やぎが森へ食べ物を探しにいくあいだ留守番をすることになった七ひきのこやぎ。母やぎからは狼に気をつけるようにいわれます。狼の見分け方はしわがれ声と足が黒いことです。
 まもなくやってきた狼は、こやぎたちが声や足で狼を見分けると知ると、白墨で声を綺麗にし、ねりこと粉で足を白くしてきます。そしてだまして戸を開けさせ、こやぎたちを次々に飲み込んでいってしまいます。助かったのは時計の箱にかくれていた一番末のこやぎだけでした。
 母やぎの悲しみは計り知れません。けれども狼のお腹の中で生きていることがわかると、こやぎたちを助けるためにすばやく動きます。
 この絵本の最後では悪い狼が死に、それをみたこやぎたちが「おおかみしんだ」と叫び、母やぎと一緒に踊りまわります。いっけん残酷に思われるような終わり方です。
 けれども、こやぎたちに気持ちを寄せてお話を聞く小さな子にとって、悪い狼の死は恐怖から解放、叫び声は安心した喜びの声に感じるのではないでしょうか。母やぎのこやぎたちへの愛情や親としての強さ頼もしさもしっかりと伝わってきます。
 繊細で美しい絵と、優しく語り掛けるような丁寧な訳が特徴の長く読み継がれてきた絵本です。
対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ジャック・デュケノワ・さく
出版社 ほるぷ出版