「むかしむかし、あったと」で始まる、山形県の昔話です。おじいさんは、おばあさんの作った「しろもち」を持って山へしば刈りに出掛けます。たくさんしばを刈り、おなかがすいたおじいさんは、川の近くでしろもちをたくさん食べて眠ってしまいます。
そこへさるがやって来ました。寝ているおじいさんの口のまわりは、しろもちの粉で真っ白です。さるはお地蔵さんと勘違いし、川向こうのお堂へまつろうとします。
さるたちはおじいさんを担いで「さるのおしりはぬらしても じぞうのおしりはぬらすなよ」と、とっても愉快なはやし歌をうたいながら川を渡ります。おじいさんもつい笑いそうになりますが、正体がばれたら大変。こらえてお堂に無事到着するとさるたちにあがめられます。その後、こっそりお供え物をもらって家へ帰りました。
さて、その話を聞いた隣のおばあさんも、おじいさんにしろもちを持たせてしば刈りに送り出しましたが、果たして隣のおじいさんの運命は…。
欲張りや嫉妬はいけないと諭しながらも、なんだか楽しくなってくるお話です。描かれている絵にも味があり、お話をより楽しくしてくれています。
石坂 千雪( 鹿角市児童センター・子ども未来センター )
(令和4年10月1日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 大黒みほ・再話/斎藤隆夫・絵 |
出版社 | あすなろ書房 |