きょう10日の夜は「中秋の名月」ですね。月が美しく輝く日にぜひ読んであげたい絵本です。
夜になりお空が暗くなると、屋根の上におつきさまが現れ、辺りを照らします。雲が前を通ると、おつきさまは泣きそうな表情になりました。屋根の上にいる猫も見ています。
夜空の深い青とおつきさまの温かい黄色の対比がとても幻想的。まだ言葉を話せない赤ちゃんでも、おつきさまの表情を見て笑ったり、「こんばんは」のセリフに合わせてお辞儀をしたりします。2、3歳になると、「おつきさまこんばんは~」と話しかけたりもします。年齢によってお子さんの反応もさまざまで面白いですね。
この絵本はベストセラーとして読み続けられていますが、なぜ子どもがこんなに引きつけられるのでしょうか。
絵本の表紙には目をつぶった表情、裏表紙には舌を出した表情のおつきさまが描かれています。「ねんね」「べーっ」と表紙と裏表紙を交互に見せると、まるで「いないいないばぁ」遊びをしている感じだと気がつきました。
「こんばんは」と互いにあいさつをする幸せ、夜空を見上げればおつきさまに会える幸せを感じられると思います。今夜はお月さまを見ながら、親子で秋の夜長を楽しんでみませんか?
佐竹 美緒( 秋田市河辺保育所 )
(令和4年9月10日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | 林 明子・作 |
出版社 | 福音館書店 |