おまつり

 ようやく開催されるようになったお祭り。子どもたちだけでなく大人もうれしい気分になりますね。この絵本はそんなワクワクするお祭りの様子が描かれています。
 「くまた」は浴衣を着て、お母さんと神社のお祭りに出かけました。神社にはたくさんの屋台があり、わたあめを買ったり、金魚すくいをしたりしました。大好きなお兄ちゃんが「わっしょい、わっしょい」のかけ声と共におみこしを担ぎます。
 お子さんとお祭りに行ってから読むと、「これ見たね、これあったね」と話して、より一層楽しめるのではないでしょうか。アルミ板をカッティングする技法で描かれたイラストは、ちぎり絵のような絵が味わい深く、ずっと眺めていられます。
 くまたがお兄ちゃんに憧れを抱いている姿も印象的です。人間関係が希薄になりつつある今だからこそ、お祭りを通して子どもたちに人と人のつながりや絆を伝えていきたいものです。
 屋台、おみこし、盆踊り、花火…ひと夏のはかなさも含んだ、お祭りの雰囲気たっぷりのこの絵本は、これからのシーズンにぴったりです。この夏、親子でワクワクドキドキしてみませんか?

 佐竹 美緒( 秋田市河辺保育所 )

(令和4年8月6日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 あずみ虫・作
出版社 白泉社