おひさまキラキラ、お散歩にいい季節がやってきました。今回ご紹介するのは「おなかのすくさんぽ」です。
ある日、「ぼく」が真っ白なシャツを着て歩いていると、水たまりで遊んでいる動物たちを発見しました。ぼくも一緒にバッチャンバッチャン大騒ぎ。真っ暗な洞窟でコウモリやミミズを押しのけて大声で歌ったあとは、動物と一緒に思いっきりほえて坂道をごろごろ。もうみんな泥だらけで、シャツも真っ黒です。
川でシャツとズボンを洗って干したぼくは、動物たちと水にもぐったり、浮かんだりしてゆっくり休みます。するとクマが「なんだかきみはおいしそうだねえ。ちょっとだけなめていーい?」と言って、ぼくをペロリとなめました。そしてクマはまた言います。「ちょっとだけかんでいーい?」
皆さん、眉間にシワが寄ったり、心の中で「げっ」と言ったりしていませんか?「大丈夫」という方は、主人公の「ぼく」と仲良くなっていただけたらうれしいです。目元がりりしい「ぼく」と一緒なら、おなかがすくのも忘れて遊びまくったあの頃のようなエネルギーが、体中に湧き上がるのを感じられるかもしれません。
遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )
(令和4年7月9日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | かたやま けん・作 |
出版社 | 福音館書店 |