おばけのやだもん

 2歳頃にピークを迎える「イヤイヤ期」は、分かっていても大変なものです。そんな時期を迎えたお子さんへ紹介したい絵本があります。
 おばけの「やだもん」は今日も「だだっこさん」を探しています。「やだやだ~!」と言うだだっこさんにぴたんとくっついて、おばけにしてしまうのです。やだもんは「はみがきやだやだ~!」と言う「さっちゃん」を見つけましたが…さて、さっちゃんはおばけにされちゃったのでしょうか?
 生活の中で見かけるいろいろな「やだやだ」。子どもにとっては、好きなことと嫌いなことを区別しながら「自分」をつくっている過程なのかもしれませんね。コミカルでテンポも良く、いたずら好きそうな顔がどこか憎めないやだもんに、読みながらくすくす笑っちゃいます。子どもたちは、まるで自分のことのような光景にくぎ付けになること間違いなしです。
 この絵本を見ると、大人には見えないやだもんが見えるのか、お部屋を探して「あっ、やだもんにみつかっちゃう」と言う子どももいます。大変な「イヤイヤ期」がユーモアあふれるやだもんの魔法ですてきな時間になりますように…。

 佐竹 美緒( 秋田市河辺保育所 )

(令和4年6月11日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 ひらの ゆきこ・作・絵
出版社 教育画劇