絵本の舞台は神戸市の六甲山です。多くの野生の生き物がいるこの山で、イノシシの母子も暮らしています。
表紙を開くとうりぼうが「こんにちは」とごあいさつしてくれます。うりぼうとはイノシシの赤ちゃんのことです。母さんイノシシに比べるととても小さく、瞳がつぶらで体毛もふわふわ。ブタのような鼻がかわいいです。
うりぼうたちは、ふだんは母さんの後をついてまわります。でも小さくて好奇心旺盛なので、夢中になると迷子になってしまうこともあります。絵本でも、うりぼうたちは迷子になります。無事に母さんを見つけることができるでしょうか。
自然の中で生きる母子の強い絆が感じられる美しい写真絵本です。母さんイノシシのまなざしは優しさに満ちあふれています。どの子がいなくなったのかも匂いで把握できるそうです。
お乳を飲み、食べ物を探し、いっぱい眠って、いっぱい遊ぶ、やんちゃなうりぼうたち。母さんに見守られ、愛情をたっぷり受けてのびのびと暮らすうりぼうたちの幸せが伝わってくるようです。
田丸美穂( 秋田県子ども読書支援センター )
(令和4年5月7日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 矢野誠人・写真、文/林良博・監修 |
出版社 | 大空出版 |