ある児童クラブの縁の下にかなへびがたくさんすんでいます。子どもたちはかなへびが大好き。見つけると手や体にはわせたり、おうちを作ってあげたり、かわいがって放しません。そんな子どもたちとよく見るのがこの絵本。かなへびの生態が優しいタッチで描かれている科学絵本です。
かなへびは朝になると葉っぱについた朝露を飲みます。そして、ひなたぼっこをはじめます。体を温めないと素早く動くことができないのです。
十分体が温まったかなへびは、餌を探しに草むらを歩き回ります。獲物を見つけると静かに近づき「ぱくっ!」と捕まえます。このシーンの描写は迫力満点!かなへびが大きく描かれ、まるで恐竜のようです!
けれども、安心してはいられません。今度はかなへびが猫に狙われます。窮地に追い込まれたその時、突然しっぽを切り離して逃げます。切れたしっぽが、くねくねと動いて猫を引き付けているそのすきに!かなへびが生き伸びるための技です。
冬眠のこと、卵のこと、脱皮のこと、しっぽの再生のことも描きこまれていて、かなへびがいとおしくなる一冊です。
石坂 千雪( 鹿角市児童センター・子ども未来センター )
(令和4年4月23日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 竹中践・文/石森愛彦・絵 |
出版社 | 福音館書店 |