暖かくなりました。お日さまの光の下で、体を動かしたくなりますね。
こちらの絵本の表紙には、動物たちが手招きしている輪の中に、人間のあかちゃんが1人。動物たちがあかちゃんをリレーしながら、初めてのお散歩に連れて行くようですよ。
「とっことっこおいっちに」、体の大きなチンパンジーとよちよち歩きのあかちゃんのふたり連れは、どちらも二足歩行が危うい感じがユーモラスです。次はカンガルーの親子。「ゆっさゆっさぴょんぴょん」、お母さんのふくろに入れてもらい、ジャンプで風を切って進みます。くまはおんぶで「もっくらもっくら」進み、ゾウはブランコしながら「のっしのっし」と運びます。きりんの長い首を「しゅるしゅるしゅる~」とすべり降りたら、終点はママの腕の中。
動物や人の表情がとても情感豊かに描かれています。それぞれの動物の足音もくり返しで分かりやすいので、読み聞かせの時はぜひお子さんを膝にのせ、動物になりきって読んでほしいです。あかちゃんの存在で動物たちが笑顔になり、「はいどうぞ」とバトンタッチすることでさらに笑顔のリレーがつながる、そんな幸せな絵本です。
髙橋 里后( 秋田市立中央図書館明徳館 )
(令和4年4月9日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
---|---|
作者名等 | うしろよしあき・文/鈴木智子・絵 |
出版社 | アリス館 |