イソップのおはなし

 「イソップのおはなし」は、紀元前6世紀のギリシャで、イソップという人が作ったお話を集めたものといわれています。動物や植物が人間のように話したり動いたりする短い物語で、教訓や風刺を含んでいます。
 みなさんもよくご存じの「ウサギとカメ」も、その一つ。ある日、足の速いウサギとのろまのカメが、山のふもとまでかけっこをすることになりました。ウサギは生まれた時から足が速いのが自慢。カメに負けるはずがないと自信満々で、本気で走る気になりません。途中で寝転んだら気持ちよくなって、グーグー眠ってしまいました。
 カメはそんなウサギを横目で見ながら、てくてく歩き続けてゴール! しばらくして目を覚ましたウサギが大慌てで駆け出し、ゴールに飛び込んだ時には、時すでに遅し。カメは動物たちの祝福を受けていました。
 優れていても油断大敵! このお話は、自分の能力を過信しすぎず、気を緩めずにコツコツと物事に取り組むことの大切さを教えてくれます。
 この本には55編の物語が収録されており、どのお話にも挿絵がついていて読みやすいのが特徴です。これらのお話が人生の大切な場面でふと思い出されて、役に立ってくれることがあるかもしれません。

石坂 千雪( 鹿角市児童センター・子ども未来センター )

(令和4年3月5日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 小出正吾・文/三好碩也・絵
出版社 のら書店