表紙から裏表紙につながる絵に、何やら愉快な気配を感じます。「はじまり はじまり おもちつき!」「おいしく なあれ ぺったん ぺったん」。リズミカルな言葉にワクワクします。
きねを持つ男の子に、合いの手は猫。お水を片手につけ「ぴたぴた にゃんにゃん ぴた にゃんにゃん」、応援する場面では「もちっと にゃんばれ」。合いの手にくすっと笑い、一生懸命ついたら、ぴょんぴょんウサギのおもちが飛び出してきます。
女の子のもちつきでは、シロクマのおもちがドドーン。おじいさんは、すってんてんと尻もち。そして最後はいろいろな形のおもちが登場する「おもちのパラダイス」。みんなでついたおもちは、もにゅもにゅ、にゃむにゃむ、びろ~ん、ふにゅ~ん。想像が広がる言葉と、おもちが際立つ色使い、コミカルなイラストに、作者たちの個性が光ります。
長く伸びて切れないことで長寿を願うおもち(諸説あり)を、年の初めに家族で召し上がってみてはいかがですか。私が勤めている園では冬休み明けにおもちつきをします。みんながどんどん伸びて大きくなりますように、幸せでありますように。穏やかな一年を願いたいですね。
仁村 由美子( 聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園 )
(令和3年12月25日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 石津ちひろ・文 村上康成・絵 |
出版社 | 小峰書店 |