ちいさなろば

 小さなろばは、牧場の囲いの中でいつもひとりぼっち。そこへ二人の女の子がやってきました。今日はクリスマスイブ、ベッドに靴下をつるすために急いで帰るところです。サンタクロースは、ろばにはプレゼントをくれないのかしら、とろばは思います。
 その夜、ろばは鈴の音で目を覚まします。そりに乗って雪の上を飛ぶようにやって来たサンタクロースから、足を痛めたトナカイに代わって、そりを引くのを手伝ってほしいと頼まれます。ろばは大喜び。サンタクロースと他のトナカイと一緒に町じゅうの子どもにプレゼントを届けました。
 ようやく仕事は終わり、そりは牧場に帰ります。サンタクロースは優しくろばの首をなでてくれ、ろばにも何かプレゼントを、と言います。ろばは、何をお願いするのでしょうか。
 お手伝いを頼まれ、しっかりやり遂げて、感謝されることは、プレゼントに勝る真の喜びかもしれません。クリスマスの夜に起きた、とっても不思議で優しい出来事を、お子さんと一緒にしみじみ楽しんでいただきたいです。

 

遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )

(令和3年12月18日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ルース・エインズワース・作/石井桃子・訳/酒井信義・画
出版社 福音館書店