きりのもりのもりのおく 

 芸術の秋にオススメ!まるでアート作品のような絵本をご紹介します。
 ページをめくり始めてまず気づくのは、写し紙のような半透明の素材。次のページ、また次のページと透けて見えるので、だんだん森の奥へと入っていくような感覚になります。
 それではさっそく、霧の森へと入っていきましょう。「きりのもりのもりのおく、そこにいるのはいったいだれ?」という問い掛けとともに、何やら黒いシルエットが現れましたよ。ページをめくると、正体が明らかになります。
 まず現れたのは、「ちょこんとすわるようせいエルフ」。さらに新たなシルエットが出てきますので、お子さんの年齢に合わせてクイズのように楽しむこともできます。難易度が高めのものもありますが、正解不正解にとらわれず、子どもたちの見方やとらえ方、発想の幅に耳を傾けるのもいいかもしれませんね。さてさて、次々と登場してきた仲間たちと一緒に、最後にたどり着いたのは…♪
 紙の質感も独特ですので、ページをめくる時の指の感覚や音などを通して、絵本の奥の世界に浸ってみてくださいね。

 

髙橋 寛光( あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」 )

(令和3年10月23日秋田魁新報掲載)

 

2021あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ニック・シャラット作/絵 木坂 涼/訳 
出版社 フレーベル館