ある日、図書館に現れた大きなライオンがこの物語の主人公です。館内を歩くライオンにスタッフは大慌て。でも館長は、決まりを守るならそのままで構わないと許します。この図書館では「大声を出したり、廊下を走ったりしてはいけない」という決まりがあるようです。
ライオンは子供たちと一緒に読み聞かせを楽しんだ後、大声でほえてしまい、決まりが守れないなら出て行くようにと叱られます。でも、きちんと決まりを感じ取ったのでしょう。次の日から尻尾で棚のほこりを払ったり、封筒に封をするために舌で舐めたり、館長のお手伝いをします。やがて、ライオンは図書館の人気者になります。
ある日、館長は棚から本を取ろうとして踏み台から落ち、けがをしてしまいます。ライオンは廊下を走って助けを呼びに行きますが、スタッフは知らん顔。ライオンは「うおおおおおおおおお!」と大きな声でほえます。
助けを呼ぶことはできましたが、決まりを破ってしまったライオンは姿を見せなくなってしまいます。みんな、気掛かりで仕方ありません。いつものように図書館に来てほしいのに・・・。
決まりを守ることは重要ですが、時にはそれよりも大事な場合があることを、ライオンから教えてもらった気がします。
千葉 智晴( 木育パパサークル「あきた木木遊び隊」 )
(令和3年10月16日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | ミシェル・ヌードセン・作 ケビン・ホークス・絵 福本友美子・訳 |
出版社 | 岩崎書店 |