アリのたんけん

 「人間の皆さん、アリから見た世界を体験してみませんか」と、アリが言ったわけではありませんが、まさに、アリの目線から見た昆虫たちの姿が写真絵本になりました。
 その秘密は「アリの目カメラ」です。世界的な昆虫写真家の栗林さんが、内視鏡に工夫を重ね、アリのように小さくて動きの早い被写体も撮影できるカメラを作り上げたのです。
 アリと一緒に、餌探しに出かけてみましょう。すると、わあ、びっくりした!目の前にはトノサマバッタの巨大な顔。14本も足があるダンゴムシは、重量感がすごいですね。クマゼミの細い口、トンボの透き通った羽、カマキリの鎌のようなトゲトゲの前足。どれも迫力があります。
 木を登って出会ったノコギリクワガタの体に「かたくてとてもかみつけない」と言ったり、カブトムシの戦いを見物したり、小さなアリもなかなかたくましいです。
 迫力ある虫たちの写真を、どうぞ周りのお子さんと一緒に楽しんでください。虫が苦手な人も、ユーモラスに見える顔や精巧な体の仕組みに興味が湧くかもしれません。そして夏休みにはぜひ、たくさんの虫と出合って、その美しさ、面白さを感じてみてくださいね。

 遠藤 美弥子( おはなしの会「おはなしの扉」 )

(令和3年8月7日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 栗林 慧・著
出版社 小学館