この本の表紙は、何の気なしに見てしまうと「ひゃー!」と声を上げてしまうかもしれません。光沢のあるヘビの顔の写真が、アップで登場します。じーっとこちらを見つめる黒い瞳としばらくにらめっこをした後、「怖いけど見てみたい!」。そんな気持ちでページをめくってみました。
脱皮の様子、体を覆ううろこの美しさ、つやつやして美術品みたいできれいだなと、ヘビを見る目が少しだけ変わりました。さらにページをめくると食事の様子。カエルやミミズ、ネズミや川魚まで捕まえて餌にします。中でも迫力満点なのが、ニワトリの卵を丸のみしようと大きな口を開けるアオダイショウの写真。卵を割らずにのみ込むのだから、すごいものです。
私も、5月の末に太平湖の近くでワラビを採っていた時、草むらにいるシマヘビを見ましたが、そのヘビの喉のあたりがむっくり膨らんでいました。「何をのみ込んでいたのかな?」と、改めて食べられた動物のことを考え、ゾクゾクしました。
ヘビは苦手と思う人も、ぜひ一度手に取ってご覧ください。ヘビのひみつがたくさん紹介されていて、驚きがいっぱいの絵本です。
石坂 千雪( 鹿角市児童センター・子ども未来センター )
(令和3年7月3日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 内山 りゅう/写真・文 |
出版社 | ポプラ社 |