たいこ

 古くは合図や情報伝達のために使われていた太鼓。神社やお寺、祭りばやしや民俗芸能などと関わりが深いだけでなく、赤ちゃんをあやすでんでん太鼓やスポーツ選手を奮い立たせる応援楽器などのように、暮らしの中に音を響かせ続けてきた身近なものなのではないでしょうか。
 「トントントトトン トントントトトン」。さあ、早速太鼓の音が聞こえてきましたよ。主人公が太鼓をたたいていると誰かがやってきました。「なかまにいれて」「いいよ」。「トントンポコポコ トントンポコポコ」おやっ?仲間と一緒にたたいて生まれたのは、新たな音とリズム。仲間が増えるたびにどんどん豊かになっていく表情や、仲間と生み出していくエネルギーを感じているうちに、読んでいるあなたも仲間の一人になって音楽を奏でているかもしれませんよ♪お子さんやお友達と一緒に読み合うのもお勧めです。
 一人の楽しみ方もあれば、仲間と一緒の楽しみ方もある。関わりや関わり方が多様なほど、新たな響きや響き合いが生まれ、暮らしの中で豊かな音が響き続けていくのかもしれませんね。それでは最後にひとたたき。「いよ~っ、ポン!」

 髙橋 寛光( あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」 )

(令和3年5月22日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 赤ちゃんから(0歳~ )
作者名等 樋勝朋巳/文・絵
出版社 福音館書店