三びきのやぎのがらがらどん

 軽快に橋を渡る大中小の3匹のヤギたち。名前はどれも「がらがらどん」です。長い間、子どもたちに親しまれてきた昔話の絵本で、懐かしく思う方も多いのではないでしょうか。
 3匹のヤギが山の草場で太ろうと山に登っていきます。途中には谷川があり、そこにかかる橋を一匹ずつ渡っていきます。
 その橋の下にいたのが、気味の悪い大きなトロル。ヤギが通るたびに「おまえを一飲みにしてやろう」と言い、襲い掛かかろうとします。
 3回繰り返されるヤギとトロルの問答。1番目のちびヤギはけなげに命乞いをし、2番目は賢くかわし、そして3番目の大きいヤギは力を使います。ヤギが大きくなるにつれて緊迫感が増し、お話も盛り上がっていきます。最後、大きいヤギが名乗りを上げてトロルをやっつける場面は圧巻です。
 北欧の厳しくも美しい自然を思わせる青と茶を基調とした背景。そこに力強く描かれたヤギの絵が、お話のイメージを膨らませてくれます。
 幼い子たちを夢中にさせ、満足させる魅力ある絵本です。「がらがらどん」の活躍をぜひ親子で味わってみてください。

 田丸 美穂( 秋田県子ども読書支援センター )

(令和3年4月3日秋田魁新報掲載)

 

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 マーシャ・ブラウン/絵 せた ていじ/訳  
出版社 福音館書店