ケーキやけました

　　

　表紙に焼きたてのケーキが描かれた絵本です。
　初めに焼き上がるのはチーズケーキ。ページをめくると、ケーキは切り分けられて1人分になっています。次々と焼き上がるケーキは、同じように次の場面では食べられる直前の姿に変わるというシンプルな構成です。
　「ひときれあーん」「おおきなおくちであーん」などの言葉が添えられていて、食べるまねをして楽しむことができます。子どもも笑顔で手を伸ばすことでしょう。
　登場するケーキは、底面がこんがりと焼けたチーズケーキや、層の重なりが魅力的なバウムクーヘンなど、どれも質感がよく表現されています。甘い香りが漂ってくるようなこの絵本。実は、2人の作家による木版画の作品です。木版画独特のタッチで表現されたケーキは、ふんわりと温かみのある雰囲気。
　同作家の前作に「パンどうぞ」という絵本もあります。こちらは色々な種類のパンが登場し、一口かじったところから中身が見えるという楽しい一冊です。甘いものが苦手な方は、3作目の「コロッケできました」はいかがでしょう。
　どの作品もおいしそうなものばかり。うれしい楽しいおやつの世界が広がります。

　(令和2年12月13日秋田魁新報掲載）

　柴田　麻衣子（　横手市図書館課　）

　

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