地面が色とりどりの木の葉で覆われると、たき火や焼き芋が恋しい気分になります。でも、優しく暖かいたき火も、ひとたび人間のコントロールを離れると、たちまちごう音とともに天まで渦巻く炎となり、全てのものを焼き尽くしてしまいます。
そんな火事の時に、何より頼りになるのが、消防隊です。この絵本には消防隊員の一日が描かれています。
主人公の「おとうさん」は、消防署のレスキュー隊員です。朝、家族に見送られて出勤し、消防署に着くと、活動服に着替えます。次は点検です。服装はもちろん、車両のエンジンやライト、はしご車のはしご、そしてカッター、チェーンソーなど、レスキューに必要な200以上の道具も全て点検します。
そして、いざ火災発生の通報が来ると、消防隊もレスキュー隊も現場に駆けつけ大活躍です。消防隊はホースを準備し放水を開始。レスキュー隊はがれきを取り除いたり、エンジンカッターなどでドアや壁を壊してけが人を救出したりします。
こうして無事に火は消え、「おとうさん」は次の日の朝、ただいまとおうちに帰ります。
みなさん、風の吹きすさぶこれからの季節、くれぐれも火の用心をお忘れなく。
(令和2年11月15日秋田魁新報掲載)
遠藤 美弥子 ( おはなしの会「おはなしの扉」 )
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 鎌田歩/作・絵 |
出版社 | 金の星社 |