ドスーン!サルが臼の下敷きになって手と足をパタパタ・・・。「早く臼を取ってくれ。つぶされる。餅はビッキどのにみんなやる。助けてくれ。」
さあ、一体全体、どうしてこんなことになったのでしょう。(「ビッキ」は山形や秋田の方言でカエルの意です。)
物語は山の麓にいたサルがカエルを田んぼ作りに誘うことから始まります。しかしサルはすぐに「肩が凝った」と言い、田んぼ作りが上手なカエルにばかり働かせます。
サルは来る日も来る日も「頭が痛い」「腰が痛い」などとうそをついてズル休み。結局、苗植えに草刈り、稲刈りなどの作業は全部カエルがやりました。
収穫の時期となり、サルは大張り切りであっという間に餅をつきあげました。そしてサルは、餅を独り占めしようと悪知恵を働かせてある提案をするのですが、結局それは大失敗・・・。サルは臼の下敷きになってしまうのです。
助けられても、またずるいことを言うサルに怒ったカエルが餅を使って倍返し。すると・・・なるほど、なるほど。
山形の方言で語られる民話です。
千葉 智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)
(令和2年9月27日秋田魁新報掲載)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
---|---|
作者名等 | 武田 正/再話 梶山 俊夫/画 |
出版社 | 福音館書店 |