「ぼく」は幼い頃、毎日のようにおじいちゃんと散歩を楽しんでました。手をつないで家の近くをゆっくり歩くだけの散歩でしたが、「ぼく」の周りの世界はどんどん広がっていきました。一方で困ったことや怖いことも同じように増えていったのです。友だちに意地悪されたり、あちこちにばい菌がうようよ居そうだったり。心配なことがたくさんあって、このままでは大人になれそうにないと思うこともありました。でもそんな時、いつもおじいちゃんは「ぼく」の手をにぎりながら、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とおまじないのようにつぶやいて励ましてくれたのです。
それから何度も何度もこの言葉に支えられ、「ぼく」は大きくなりました。いつの間にか怖いものもなくなりましたが、おじいちゃんはずいぶん年を取りました。だから今度は「ぼく」がおじいちゃんを励ます番です。おじいちゃんの手をにぎり、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と・・・。
この絵本は1995年に刊行され、子どもから大人まで幅広い世代に愛されてきたロングセラーの本です。
明日は敬老の日。おじいちゃんやおばあちゃんと、おしゃべりしながらゆっくり散歩はいかがですか?優しいおまじないの言葉とともに。
(令和2年9月20日秋田魁新報掲載)
照井 律子( 秋田市立中央図書館明徳館文庫 )
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | いとう ひろし/作・絵 |
出版社 | 講談社 |