まずは表紙のカブトムシに目が奪われます。硬い甲羅が光り、角がぐんと伸びていてカッコイイのです。
主人公は麦わら帽子に半袖短パン、長靴姿の男の子。雑木林へ虫の探検に出掛けます。初めに見つけたのは幹の樹液に集まるたくさんの虫たち。その中でカブトムシとクワガタムシが闘いを繰り広げています。強そうな二匹の姿は迫力満点です。
雑木林の中ではさまざまな虫に出会えます。スズメバチが迫ってきたり、セミにおしっこをかけられたりするハプニングも。絵が臨場感たっぷりなので実際に体験しているような気分になります。各ページに描かれた虫眼鏡の中には虫の説明が載っていて、さらに調べたくなるような知的好奇心をくすぐる絵本になっています。
作者のじゅえき太郎さんは、子どもの頃から岩手の雑木林で昆虫採集をしていたそうです。リアルでダイナミックな絵からは虫が大好きなのが伝わってきます。この夏は親子一緒に虫の探検もいいかもしれませんね。作者がいうには、服装は長袖長ズボンのほうが望ましいそうですよ。
(令和2年7月26日秋田魁新報掲載)
田丸 美穂( 秋田県子ども読書支援センター )
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | じゅえき太郎/作 須田研司/監修 |
出版社 | KADOKAWA |