街で働く車たちが絵本の表紙を飾ります。路線バス、郵便車、バイクにゴミ収集車-。乗り物好きのお子さんにとっては、「ヒーロー」と出会えたようなうれしさがあるかもしれません。
車は1種類ずつ、見開きで登場します。まえとうしろから見た"勇姿"がカラフルに描かれており、「これは何だろう」「どうやって動くの?」と疑問が生まれるきっかけにもなりそうです。ページをめくると、その疑問に応えてくれる解説があります。そこには運転する人々や、作業する人々の様子も。図鑑のようであり、また「働くということ」を見せてくれる一冊でもあります。
人々の生活に溶け込んで働く車の姿からは、街の活気やにぎわいが感じられ、機動音やブレーキ音も聞こえてきそうです。
乗り物好きといっても、好きなポイントはさまざまだと思います。親子で実物の働く車を観察し、楽しむきっかけにしてはいかがでしょう。お子さんの興味がさらに広がるかもしれません。最後に、働く車たちの頑張りに「ありがとう」の拍手を贈りたくなります。
(令和2年6月7日秋田魁新報掲載)
仁村 由美子( 聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園 )
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | こわせ もりやす/作・絵 |
出版社 | 偕成社 |