タンタンのずぼん

 なかなか外出できない日々が続いていますが、こんな時こそ絵本を通して親子の関わりを深めるチャンス!春のぽかぽか陽気のように、心がぽかぽかしてくる一冊をご紹介します。
 かわいいおさるさんのタンタンが身に着けているのは、おばあさんお手製のずぼん。タンタンが大きくなってもずっとはけるように―と作ってくれたみたいですが、何だかだぶだぶだし、すぼんの「つり」は伸びすぎるようです。
 それでも、タンタンはこのずぼんが大好き!なぜなのかな?と思いながらページをめくった先にいたのは…ずぼんつりを耳に掛けてご満悦なタンタン。物干しざおに引っかけてブランコをしてみたり、お友達と電車ごっこをしてみたり。タンタンの発想はまだまだ膨らんでいきます。「次はどうするのかな?」「どんなふうに使ってみたい?」とお子さんとコミュニケーションを取りながら読み進めるのも楽しそうです。
 子どもたちは遊びを見つけ、遊び尽くす天才!どこかに出掛けなくても、おもちゃを与えなくても、実は大丈夫なのかもしれません。元・子どもの私たち大人も、タンタンのような遊び心や想像力をまねっこしてみると、ぽかぽかとした新しい世界が見えてきそうですね。 

 (令和2年4月19日秋田魁新報掲載)

 髙橋 寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

 

2020あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 いわむら かずお/作 
出版社 偕成社