どうやってねるのかな

 動物画の第一人者と称された故・薮内正幸さんによる絵本です。毛の一本一本まで描くような細密なタッチで、数多くの動物図鑑や絵本の挿絵を手掛けました。1987年に刊行された本作も、長く読み継がれています。
 よく知られた動物でも、その寝姿を見る機会は意外と少ないもの。木の上で過ごすコアラは、どのように眠るのでしょうか。寝ている間、キリンの長い首はどうなっているのでしょう。「○○はどうやってねるのかな」の問い掛けに、想像しながらページをめくってみてください。気の枝に挟まって体を丸め、目を閉じたコアラの姿などを見ることができます。
 真っ白い背景に描かれたヒョウやコウモリ、ラッコやフラミンゴといった動物たちは、毛並みや皮膚の感触が伝わってきそうなほど写実的です。実物に忠実ながら温かみのある絵で、生き物の魅力がしっかり伝わってきます。
 小さいお子さんには、寝る前の絵本として読んであげてもいいかもしれません。気持ち良さそうに眠る動物たちにつられて、いつしか夢の世界へ。すやすやと寝息を立てていることでしょう。

 

(令和2年3月22日秋田魁新報掲載)

 柴田 麻衣子 ( 横手市図書館課 )

 

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対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 やぶうち まさゆき/作 
出版社 福音館書店