暦の上で春が始まる「立春」まであと少しですね。古くから季節の変わり目は邪気が生じやすいとされ、立春前日の節分には、豆まきをして悪いものを払う慣習があります。節分にぴったりの昔話を紹介しましょう。
腹痛に悩むととさんはかかさんに勧められ、和尚さまへ相談に行きます。腹の中の虫が原因だと言われ、ととさんは言われるがままカエルをのみ込みます。カエルが虫を食べてくれて一件落着・・・とはいきません。
今度は腹の中を歩くカエルが気持ちが悪くてたまらないととさん。和尚さまに助けを求めると、「ヘビをのむといいぞ」と助言されます。のみ込んでカエルはいなくなりますが、ヘビが動いて気味が悪い・・・。
具合が悪くなっては、別の何かをのみ込む展開が繰り返されます。キャーと悲鳴が上がりそうな場面もありますが「次はどうなる?」というワクワク感があり、夫婦と和尚さまの滑稽なやりとりに引き込まれます。しまいに鬼までのみ込んだととさんを救うため、和尚様が口の中目がけて投げ入れたものは⁉
豆まきの前に読むと盛り上がりそうです。読み終えたら家族で「鬼は外!福は内!」と、伝統行事を楽しみましょう。
(令和2年2月2日秋田魁新報掲載)
髙橋 寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)
対象年齢 | 3歳ぐらいから |
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作者名等 | 日野 十成/作 斉藤 隆夫/絵 |
出版社 | 福音館書店 |