飛行機しゅっぱつ!

 年末年始は、帰省や旅行で公共交通機関の利用が増えますね。子どもを連れての移動は親にとって一苦労ですが、子どもは乗り物が大好き。空港では搭乗前、窓ガラス越しに飛行機を眺める親子をよく見掛けます。私も小さい頃、父と一緒に飛行機を指さしながら、いろいろな話をしたものです。
 今回は、そんな子どもたちの好奇心を刺激する一冊を紹介します。飛行機が出発するまでの間、空港ではどんなことが行われているのか詳しく知ることができる作品です。
 主人公のつばさ君がお父さんと乗るのは「ジャンボジェット」の愛称で親しまれるボーイング747。折り畳まれたページを開くと、レントゲン写真のように機体の内部を見ることができます。周りには空港で働く車が集まり、出発の準備を進めます。係の人がコンテナを貨物室に積み込んだり、翼のタンクに燃料を入れたりと忙しそうです。
 普段は間近で見られない空港の中の様子が丁寧に描かれ、子どもだけでなく大人も見入ってしまうほど。空の旅のお供として持っていきたくなる絵本です。
 同じ作者の「新幹線しゅっぱつ!」や「路線バスしゅっぱつ!」もお薦めですよ

(令和元年12月29日秋田魁新報掲載)

 田中 絵美(秋田市立中央図書館明徳館文庫)

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対象年齢 小学校低学年ぐらいから
作者名等 鎌田 歩/作
出版社 福音館書店