クリスマスって なあに

 街がイルミネーションで彩られるこの季節。サンタさんやトナカイの置物、クリスマスツリーが飾られているのを見るとわくわくしますね。
 紹介する絵本はそんな華やかな光景とは縁遠い、広野で暮らす羊飼いにお告げがもたらされる場面で始まります。約2千年前の、世界で最初のクリスマスの物語です。
 夜空を照らし現れた天使が、「ベツレヘムの小さな馬小屋で赤ん坊が生まれた」と羊飼いに伝えます。その子はすべての人に幸せを運ぶ「神様の子ども」だと言うのです。
 光輝く星に導かれ、馬小屋に到着した羊飼いたちは、神の子イエスと対面します。東方の国に住む3人の偉い学者も、イエスに宝物を贈るため、はるばるやってきます。
 このイエスが生まれた日を、私たちはクリスマスとして毎年お祝いしているのです。身分の低い羊飼いに誕生が伝えられ、お城ではなく、誰もが会いにいける馬小屋で生まれたのが印象的です。
 ブルーナの優しい表情の絵が、物語の温かい世界観を際立たせています。絵本を味わいながら、ことしも喜びの日を待ちましょう。
 メリークリスマス!

(令和元年12月8日秋田魁新報掲載)

 仁村 由美子( 聖霊女子短期大学付属幼稚園・保育園 )

  Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2019 www.miffy.com

 

 

2019あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 ディック・ブルーナ/作 ふなざき やすこ/訳
出版社 講談社