白くて丸いお煎餅が、ページいっぱいの網の上に並んでいます。「おせんべやけたかな」という言葉とともにひっくり返すと、1枚ずつこんがりと焼けていきます。焼けた面には、にっこりと笑った表情や驚いた表情、怒った表情-。どんどん増えていく様々な表情とメロディーが相まって、わらべ歌の楽しさを存分に味わえる作品です。
手のひらをお煎餅に見立てたわらべ歌遊びは、皆さんも経験があるのではないでしょうか。巻末では、赤ちゃんの手を優しくトントンたたき、食べるまねをするスキンシップも紹介。読み手の歌を聞いて楽しむ赤ちゃんから、自分で歌える年齢の子どもまで、それぞれの発達段階に応じた親しみ方ができます。
わらべ歌は、地方によって節や言い回しが異なる場合があります。「おせんべやけたかな」「やけた!」を、それぞれの地元にに伝わるなじみの歌い方に変えてあげてもいいですね。
この絵本と同じ「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」シリーズの、「ねーずみ ねーずみ どーこ いきゃ?」と「へっこ ぷっと たれた」もお薦めです。
(令和元年10月27日秋田魁新報掲載)
柴田 麻衣子(横手市図書館課)
対象年齢 | 赤ちゃんから(0歳~ ) |
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作者名等 | こがようこ/構成・文 降矢なな/絵 |
出版社 | 童心社 |