ほしじいたけ ほしばあたけ

 キノコがおいしい季節になりました。この絵本は、きのこむらの外れに住む干しシイタケのおじいさん「ほしじいたけ」とおばあさん「ほしばあたけ」の物語。干しシイタケだけに、日なたぼっこが大好きなのだとか。
 ある日、ほしじいたけが裏山に薪を拾いに行くと、村の子どもたちが崖をのぞき込んでいました。鬼ごっこの最中、仲間のタマゴタケが崖の下へ転がり落ちてしまったというのです。
 ほしじいたけは崖の下でうずくまるタマゴタケを見つけ、ふわりと飛び降りました。乾いた体はとても軽く、見事着地。すぐに傷の手当てをしました。
 タマゴタケを背負い、険しい崖をどう登るか頭を悩ませるほしじいたけでしたが、苦手な「あること」でマッチョな若者のような体に変身!ほしばあたけの手も借りて一気に崖を登り、無事救出できました。
 ホッとした2人は、帰って再び日なたぼっこ。濡れた体を乾かして、カラカラの干しシイタケに戻り一件落着です。「あること」が何か分かりましたね。
 きのこむらには、オオワライタケやホウキタケといった仲間も住んでいます。かわいらしい姿をぜひ楽しんでくださいね。


 千葉 智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)

(令和元年10月20日秋田魁新報掲載)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 石川 基子/作・絵
出版社 講談社