まほうのでんしレンジ

 縦開きの絵本は、まるで電子レンジの扉を開け閉めしているかのよう。扉を開ける瞬間のドキドキ感がたまらない、食欲の秋にお薦めの一冊です。
 ある日、主人公の「ぼく」がパパと留守番をしているところに、宅配便が届きました。パパが段ボールを開けると、不思議な電子レンジが出てきました。
 パパは空っぽのお皿を電子レンジに入れ、扉を閉めると急に歌い出しました。「はらぺこりんりん、はらぺこりんりん、オムライスが食べたいな」。歌い終わると、レンジから「チーン!」という音が。扉を開くと、お皿の上にほかほかのオムライスがのっていたのです。
 「さあ、どんどん作るぞ!」というパパに、ぼくはどんどんリクエスト。さっきの歌を歌うと、かつ丼とパスタ、すしとおでんなどを一度に作ることができました。でも、こんなに作ってどうするの?
 ピンポーンとチャイムが鳴り、2人が玄関で出迎えたのは・・・この先は読んでのお楽しみ。
 巻末には歌の楽譜も載っているので、お子さんと一緒に歌いながら読んでみてくださいね。

 (令和元年9月29日秋田魁新報掲載)

 髙橋 寛光(あきたパパ絵本チーム「パパコラボ」)

2019あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 たかおか まりこ/原案 さいとう しのぶ/作・絵
出版社 ひかりのくに