「どん!どん!どん!」
おなかをすかせたクマが山から下りてきて、「どん!どん!」「はらぺこだ!うぉー!」と暴れ回ります。
暴れ回ってさらにおあなかをすかせたクマは、街に食べ物を探しに行きました。山の麓のある家では、おじいさんがのんびりお茶を飲んでいるところ。そこにクマが襲い掛かります。
「ごわーっ!」。おじいさんはびっくり仰天。ところが、ページをめくるとまさかの展開が・・・。
「がりっ」。クマが食べたのは、おじいさんの手のひらに置かれたドングリでした。実はこのクマ、とてもかわいらしい赤ちゃんグマだったのです。山の木が切られ、ドングリなどクマが好む食べ物が少なくなったから街に下りてきたそうです。おじいさんは「人間が悪いんじゃよ」と思いました。
おじいさんから風呂敷包みのドングリのお土産をもらった赤ちゃんグマは、山に帰る支度を始めました。最後に赤ちゃんグマは、「おじいさんありがとう」と涙を流しました。
クマが生息するのは自然が豊かな証拠。赤ちゃんグマの涙には、おじいさんへの感謝の気持ちと自然への思いも詰まっているのかな。
(令和元年9月22日秋田魁新報掲載)
千葉智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | 塚本やすし/作 |
出版社 | ポプラ社 |