ねすみのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10匹が登場する「14ひき」シリーズの物語。今回のテーマはお月見です。
ねずみのきょうだいたちが、枝にぶら下がるロープや手作りのはしごを伝って、一本の大きな木の上に集まってきました。周りの葉っぱはほんのり色付いて、秋の気配。ドングリも実っています。
木の上に登ったきょうだいたちは力を合わせて、太い枝をたくさん切って並べると、ひもで固定しました。見晴らしのいい「おつきみだい」の完成です。ちょうどお日様が沈んでいく時間帯。山も空も、辺り一面が真っ赤に染まっています。お団子やクリ、ドングリを供えたら、ススキの穂を立てて、とうとうお月見の準備が整いました。
夜になり、大きな真ん丸お月様が顔を出しました。優しい光に照らされたねずみたちは、月に向かって豊かな実りへの感謝を伝えます。
里山の風景と、14匹のねずみの家族の暮らしが描かれたこのシリーズ。親子で読むと、その世界観に引き込まれることでしょう。
(令和元年9月8日秋田魁新報掲載)
千葉智晴(木育パパサークル「あきた木木遊び隊」)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | いわむら かずお/文 |
出版社 | 童心社 |