むしさん なんのぎょうれつ?

 夏は虫たちの活動が盛んになります。でも「虫って苦手」「本物どころか絵もだめ」という人も少なくないはず。そこで、虫が苦手な人でもきっと大丈夫なこの絵本を紹介します。虫たち50匹が行列を作っていますが、悲鳴を上げずに、まずはページをめくってみてください。
 最初に登場したのはカ。「いいものあげるからのぼっておいで!」と書かれた看板の前で、ハチが「はやいものがちですよ」と声を掛けます。よく見ると「50ばん」の文字もあります。
 アリが49番、テントウムシが48番、ダンゴムシが47番・・・と続き、30番台にはマツムシやカミキリムシ、20番台にはコガネムシ。10番台にはキリギリスやセミ、そしてカマキリが3番、トンボが2番という具合に、体の大きさの順で列をなしています。
 クモの巣に引っ掛かったり、スズメが襲って来たりと事件も発生。そうしてたどり着いた先には、夏にぴったりのおいしいプレゼントが待っていました。
 順番を数えたり、最後のページにある虫の名前の一覧表を見ながら、「これはどんな虫だっけ?」と考えたりと、さまざまな楽しみ方ができる絵本です。 

(令和元年8月4日秋田魁新報掲載)

 遠藤 美弥子(おはなしの会「おはなしの扉」)

2019あふれちゃんのえほんばこへ進む

対象年齢 3歳ぐらいから
作者名等 オームラトモコ/作・絵
出版社 ポプラ社