なほちゃんが近所のおばさんの家に行くと、子どもたちを集めてキャンプの計画を立てていました。なほちゃんも年上の子どもたちとキャンプに行きたがりますが、「ちっちゃいこはだめ!」とみんなから反対されてしまいます。
ちっちゃいこは重い荷物を持って歩けないし、すぐ泣くし、まき集めができないし、暗いところを怖がるからと。でも、なほちゃんは「わたし、くらいそとにひとりでおしっこにいける!」などと言って諦めません。そうしてキャンプに連れて行ってもらったなほちゃんは、驚くほど頑張ります。
ペースが遅れたなほちゃんに合わせて歩いてくれたお姉さん、川で転んだ時に起こしてくれたお兄さん。当初反対していた年上の子どもたちが、さりげなく助けてくれました。一人でおしっこを済ませてテントに帰ってきた時も、おばさんが優しく声をかけてくれました。
子どもが成長する上で、自分なりに考え、やってみようとすることは大切です。一方、その様子を見守り、援助する存在の力も大きいものです。なほちゃんの誇らしげな声が響きました。「わたし、おおきいこのようにちゃんとキャンプできたよ!。」
(令和元年7月28日秋田魁新報掲載)
柴田 麻衣子(横手市図書館課)
対象年齢 | 小学校低学年ぐらいから |
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作者名等 | 林 明子/作・絵 |
出版社 | 福音館書店 |