めっきらもっきら どおんどん

  

 かんたという男の子が迷い込んだ不思議な世界のお話です。神社の境内に遊びに来たかんたは、遊び相手が見つからず、大声ででたらめの歌を歌いました。すると、木の穴から奇妙な声が聞こえてきます。思わずのぞき込んだ途端、かんたは穴の中に吸い込まれてしまいます。
 着いた先は夜の山。そこで奇妙なおばけたちと出会います。おばけといっても、「遊ぼう」と誘ってかんたに断られると大泣きしたり、遊ぶ順番を巡ってけんかしたりという愛らしい3人組。いつの間にかかんたも、奇想天外なおばけの遊びに夢中になります。
 幻想的な世界に、小さな心はわくわくしたり不安になったり。最後には「ごはんよー」と呼ぶお母さんの元に帰る安心感も描かれた、これからの季節にぴったりの冒険物語です。
 「めっきらもっきら どおんどん」は、かんたのでたらめな歌の一部。日常に戻ったかんたは歌を思い出せなくなりますが、この本を読むとつい唱えたくなる不思議な呪文です。

(令和元年6月23日秋田魁新報掲載)

 柴田 麻衣子(横手市図書館課)

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対象年齢 5歳ぐらいから
作者名等 長谷川 摂子/作 ふりや なな/画
出版社 福音館書店