クロドリの夫婦を取り巻くインドの民話です。いい声を持つクロドリが、木の茂みで女房と仲良く暮らしていました。その声を聞いた王様はクロドリを欲しがりますが、捕まったのは女房のほう。夫婦はよく似ていて見分けがつかなかったのです。
女房をさらわれたクロドリは怒り狂い、何が何でも連れ戻そうと決意。クルミの殻で作った太鼓をたたいて行進します。途中で、王様にひどい目にあったというネコやアリ、木の枝、川も仲間に加わり、クロドリの耳に収まって一緒に王様の元へ向かいます。
宮殿に着いたクロドリは、王様からひどい仕打ちを受けます。そこで活躍するのが耳の中の仲間たち。クロドリは歌を歌って、仲間を呼び出すのです。
クロドリは無事に女房を連れ戻すことができるのでしょうか。本を読んでのお楽しみ。クロドリが「ランパンパン、ランパンパン」と太鼓をたたいて行進する姿は勇ましく、リズムも心地良いです。読んだ人の士気を上げてくれるお話です。
(令和元年6月9日秋田魁新報掲載)
田丸 美穂(県子ども読書支援センター)
対象年齢 | 5歳ぐらいから |
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作者名等 | マギー・ダフ/再話 ホセ・アルエゴ、アリアンヌ・ドウィ/絵 山口文生/訳 |
出版社 | 評論社 |